公開日:2023/09/18|更新日:2025/09/03
サムターン回しとは?代表的な侵入手口と自分でできる防犯対策を解説!
サムターン回しは、空き巣が玄関の弱点を突いて侵入する代表的な手口のひとつです。特殊な道具を使えば数分で解錠されてしまうケースもあり、放置すると大きなリスクにつながります。しかし、サムターン回しは正しく理解して対策を講じれば未然に防げる被害です。本記事では、サムターン回しの基本知識から主な手口、狙われやすいケース、そして具体的な防犯対策までをわかりやすく解説します。
目次
サムターン回しとは?基本知識を押さえよう

サムターン回しは、住宅侵入の代表的な手口のひとつであり、玄関ドアの構造的な弱点を突いて行われます。名前は耳にしたことがあっても、実際にどのような仕組みで被害が起こるのか正しく理解できていない人も少なくありません。ここでは、まず「サムターン」という部品の役割を確認したうえで、犯罪に悪用される「サムターン回し」の仕組みを解説します。基礎知識を押さえることで、自宅の防犯意識を高める第一歩につながります。
そもそもサムターンとは?
サムターンとは、玄関ドアの内側に設置されたつまみ部分を指し、鍵を使わずに施錠・解錠できる便利な機構です。外出時に鍵をかけても、室内側ではこのサムターンを回すだけでドアを開けられるため、多くの住宅に標準的に備わっています。
例えば、火災や緊急時に迅速に避難できる点では有用ですが、その利便性は同時に防犯上の弱点ともなります。外部から侵入者がこのサムターンに直接アクセスできると、鍵を使わずに簡単に解錠されてしまうのです。つまり、サムターンは「便利さと危険性」を併せ持つ部品だと理解することが重要です。
サムターン回しの仕組み
サムターン回しは、外部から特殊な工具を差し込んでサムターンを直接回し、不正にドアを解錠する侵入手口です。侵入口はドアと枠の隙間、ドアスコープ、郵便受け、さらにはガラス部分などさまざまで、侵入者は状況に応じて異なる方法を使い分けます。
この手口が厄介なのは、外側のシリンダーを操作する必要がないため、ピッキング対策済みの鍵であっても防げない点にあります。実際には数分以内で解錠されるケースも多く、痕跡が残りにくいため発覚が遅れるリスクもあります。サムターン回しを理解することは、防犯対策を考えるうえで欠かせない基礎知識といえるでしょう。
サムターン回しの主な手口

サムターン回しは一つの方法だけではなく、玄関ドアの構造や周辺環境に応じてさまざまな侵入手口があります。侵入者はドアの隙間や郵便受け、ドアスコープなど、わずかな弱点を突いて工具を差し込み、内側のサムターンを直接操作します。どの方法も共通して「短時間で解錠できる」「痕跡が残りにくい」という特徴があり、防犯意識の低い家ほど被害に遭いやすいのが実情です。ここでは代表的な手口を整理し、どのような状況で狙われやすいのかを解説します。
ドアと枠の隙間から工具を差し込む
ドアとドア枠の間に隙間がある場合、侵入者はそこに細長い工具を差し込み、内側のサムターンを直接操作することが可能です。特に築年数の古い住宅や、木製・薄い金属製のドアは隙間が広くなりやすく、この方法に弱い傾向があります。
工具は針金を加工した簡易なものでも十分に効果があり、数分で解錠できてしまう場合もあります。見た目には異常が残らないため発覚が遅れがちで、非常に危険な手口です。隙間が大きいドアは、ガードプレートなどを設置して物理的に侵入を防ぐことが重要です。
ドアスコープを外して工具を差し込む
ドアスコープ(のぞき穴)は、内側の様子を確認できる便利な装置ですが、外から取り外されやすい点が弱点となります。侵入者は専用工具を使って外側からドアスコープを外し、その穴から特殊器具を差し込んでサムターンを操作します。
特に安価でシンプルなドアスコープは取り外しが容易で、この方法による被害が報告されています。外見上は壊された跡が残りにくく、気づきにくい点もリスクです。防犯性の高い「外から外せないドアスコープ」に交換したり、スコープカバーを取り付けておくことで、この手口を防ぎやすくなります。
郵便受けから工具を差し込む
ドアに備え付けられた郵便受け(ドアポスト)は、サムターン回しに悪用されやすい侵入口のひとつです。侵入者はポストの蓋を開けて細長い器具を差し込み、サムターンを直接回して解錠を試みます。特に縦長や大きめのポストは内部に手や工具が届きやすく、危険度が高まります。
実際、郵便受け経由の侵入は古い集合住宅や戸建てで多く確認されています。対策としては、内側にカバーを設置して器具を差し込めないようにしたり、不要なポストは塞ぐといった物理的な工夫が効果的です。
ドアに穴を開けて工具を差し込む
玄関ドアの材質が薄い場合、侵入者は電動ドリルや専用工具を使ってサムターン付近に小さな穴を開け、そこから器具を差し込んで直接操作します。この方法は「ドリル攻撃」とも呼ばれ、強引ですが短時間で解錠できる点が特徴です。
特に古い鉄板ドアや木製ドアは穴を開けやすく、標的にされやすい傾向があります。穴は小さくても内部にアクセスできてしまうため、防犯性能が低いドアでは有効な手口となってしまいます。対策としては、ドアを補強する、ガードプレートを設置する、防犯性の高いドアに交換することが推奨されます。
ガラス破りによって工具を差し込む
玄関ドアにガラス窓がある場合、侵入者はその部分を割ってサムターンに手や器具を差し込み、直接解錠を狙います。この方法は単純ながら効果的で、特に古い住宅や装飾窓付きドアに多い被害です。
割れたガラスは外見上すぐにわかりますが、侵入者にとっては短時間で作業できるためリスクが高い手口です。防犯フィルムを貼ってガラスを割れにくくする、強化ガラスや複層ガラスに交換することで有効に防ぐことが可能です。また、サムターンの位置とガラスの距離を離すことも被害抑止につながります。
ドアカバーを焼き破って工具を差し込む
一部の侵入者は、ライターやバーナーを使ってドアカバー部分を焼き破り、穴を開けて内部に工具を差し込むという荒っぽい手口を用います。この方法は音や煙が出るためリスクも大きいのですが、周囲の目が届きにくい場所では実行される可能性があります。
特に金属が薄いドアや古い住宅では、短時間で破られてしまうケースもあります。対策としては、強固な材質のドアに交換する、玄関周りを明るく保ち侵入を試みづらい環境を作ることが重要です。センサーライトや防犯カメラの設置も有効です。
サムターン回しに狙われやすいケース

サムターン回しの被害は、すべての住宅で同じように発生するわけではありません。構造や設備、防犯意識の差によって「狙われやすい家」と「そうでない家」が存在します。空き巣は効率を重視するため、短時間で侵入しやすい環境を優先して選びます。ここでは、特に注意すべき典型的なケースを整理し、自宅の玄関が当てはまっていないかを確認できるように解説します。
サムターンカバーが付いていない
サムターンカバーがない玄関は、最も狙われやすい環境のひとつです。カバーがないとサムターンの位置や形状が外部から推測されやすく、工具を差し込まれると直接操作されてしまいます。
カバーは比較的安価で取り付けも容易なため、防犯意識の高い家庭では必ず導入されています。逆に言えば、カバーがない状態は「防犯対策をしていない家」と見なされやすく、空き巣のターゲットに選ばれるリスクが高まります。
鍵が1つしかない
1ドア1ロックの玄関は、侵入者にとって「最短で解錠できる家」です。補助錠がないため、サムターン回しで1つの鍵を突破すれば即座に侵入できる構造になります。特に古い住宅や築年数の経った集合住宅ではこのタイプが多く、被害事例も少なくありません。
現在は警察や防犯団体も「ワンドアツーロック」を推奨しており、補助錠を追加するだけでも狙われにくくなります。鍵が1つしかない場合は、すぐに追加対策を検討すべきでしょう。
ドアとドア枠に隙間がある
ドアと枠の間に隙間があると、侵入者はそこから細長い工具を差し込んでサムターンを操作することが可能になります。特に古い木製ドアや鉄板の薄いドアは隙間が広く、ガードプレートも付いていないため危険度が高いです。
わずか数ミリの隙間でも熟練した空き巣にとっては十分であり、被害につながるケースが報告されています。隙間を塞ぐプレートや補強材を設置することで、物理的に工具の侵入を防ぎやすくなります。
サムターン付近にガラス窓がある
玄関ドアにガラス部分があり、そのすぐ近くにサムターンが設置されている場合も危険です。ガラスを割れば簡単にサムターンに手や工具を伸ばせるため、侵入にかかる時間はごくわずかです。
特に装飾用の小窓や古い単板ガラスは割られやすく、防犯性が低いと見なされます。防犯フィルムを貼る、複層ガラスや強化ガラスに交換する、サムターンの位置を窓から離すといった工夫が必要です。
集合住宅で3階以上
意外に思われがちですが、集合住宅の高層階もサムターン回しの標的になりやすい傾向があります。理由は「防犯意識の低さ」です。多くの住人は「高層階は安全」と思い込み、窓や玄関の防犯対策を軽視しがちです。その心理を逆手に取って侵入するのが空き巣です。実際にはエレベーターや非常階段から容易にアクセスできるため、高層階だから安全とは限りません。
防犯意識が低く見える物件
玄関周りが暗い、ポストが開けっぱなし、新聞や郵便物が溜まっているなど、防犯意識が低く見える物件は狙われやすい傾向があります。空き巣は下見をして侵入先を決めることが多いため、外見から「この家は対策をしていない」と判断されるとリスクが高まります。サムターン回しそのものへの対策だけでなく、玄関照明やセンサーライト、郵便受けの整理といった日常的な工夫も重要です。
サムターン回し対策には何をすれば良い?

サムターン回しは一見すると防ぎにくい手口に思えますが、実際には有効な対策が数多く存在します。特別な工事を伴わない簡単な方法から、本格的な防犯設備まで幅広く選べるため、自宅の環境や予算に応じて取り入れやすいのが特徴です。大切なのは「侵入に時間がかかる」「目立つ行為になる」と空き巣に思わせること。ここでは具体的な対策を順に紹介します。
サムターンカバーを取り付ける
サムターンカバーは、内側のつまみを覆って工具が直接触れないようにする防犯グッズです。カバーを設置することで、ドアスコープや郵便受け、隙間から侵入器具を差し込まれてもサムターンを操作されにくくなります。
後付けが可能で、価格も数千円程度と手頃なため、最も手軽に始められる対策のひとつです。防犯意識の高さを外部に示す効果もあり、侵入を試みる気持ちを抑止する点でも有効です。
防犯サムターンに交換する
通常のサムターンを防犯仕様のものに交換する方法も効果的です。例えば「空回りするサムターン」や「押し込みながら回さないと解錠できない特殊構造」などがあります。これらは外部から工具を差し込んで単純に回すことができないため、侵入を大幅に困難にします。
費用は製品や工事内容によりますが1~2万円程度が目安です。交換は専門業者に依頼するのが確実ですが、対応製品によってはDIYも可能です。サムターンカバーと比べてより恒久的な効果が期待できるため、長期的に防犯性を高めたい人に適しています。
補助錠を追加する
1ドア1ロックは空き巣にとって狙いやすい環境ですが、補助錠を追加すれば侵入のハードルが一気に高まります。補助錠にはドアに直接取り付けるタイプや、穴あけ不要で貼り付ける簡易タイプがあります。2つの鍵を突破しなければならない状況を作ることで、侵入にかかる時間が増え、リスクを嫌う空き巣は諦めやすくなります。
さらに視覚的にも「防犯対策をしている家」とアピールできるため、下見の段階で避けられる可能性が高まります。コストは数千円から導入でき、コストパフォーマンスの高い対策です。
ドアと枠の隙間にガードプレートを設置する
ガードプレートは、ドアと枠の隙間を覆って外部から工具を差し込めないようにする金属製のプレートです。特にサムターン回しの基本手口である「隙間からの器具差し込み」を防ぐのに効果的です。取り付けは比較的簡単で、既存のネジ穴を利用するタイプならDIYでも可能です。
価格も数千円程度と安価で、見た目にも安心感を与えます。古いドアや隙間が大きい住宅では必須の対策といえます。侵入者が狙う「時間をかけずに入れる家」という条件を崩せるため、抑止効果も大きいです。
ドアスコープカバーを取り付ける
ドアスコープを外されると、そこから器具を差し込んでサムターンを操作される恐れがあります。これを防ぐために有効なのが「ドアスコープカバー」です。外側から覗かれても開閉式カバーで遮断でき、内部が見えないようにできます。
また、防犯用ドアスコープに交換すれば外から外せない構造となり、侵入を大幅に困難にします。費用も安価で、DIYでの交換も可能です。日常のプライバシー保護にも役立つため、防犯対策と生活の安心感を同時に得られます。
郵便受けにカバーを取り付ける
玄関ドアの郵便受けは、サムターン回しの侵入経路として利用されやすい部分です。内部に手や器具を差し込まれると、直接サムターンを操作される危険があります。そのため、郵便受けには「内側カバー」を設置して侵入器具を防ぐことが効果的です。
必要に応じて郵便受け自体を施錠できるタイプに交換するのも有効です。不要なポストは塞ぐとさらに安全性が高まります。日常的に使う部分だからこそ、簡単にできる防犯強化のひとつとして優先度が高い対策です。
ガラスには防犯フィルムを貼る
玄関にガラス部分がある場合、防犯フィルムを貼ることは必須の対策といえます。空き巣はガラスを割ってサムターンに直接アクセスする手口を使いますが、防犯フィルムがあれば簡単には割れなくなり、侵入に時間がかかります。
侵入に時間がかかる状況は、空き巣にとってリスクが高く、狙われにくくなる効果があります。防犯フィルムは透明で外観を損ねずに施工できるため、美観を保ちながら防犯性を高められる点もメリットです。
センサーライトや防犯カメラを設置する
サムターン回しの直接対策ではありませんが、玄関周りにセンサーライトや防犯カメラを設置することも非常に有効です。侵入者は人目を嫌うため、明るい環境や監視されている状況を避けます。センサーライトは人が近づくと点灯し、空き巣に心理的プレッシャーを与えます。
防犯カメラも「記録されるリスク」を感じさせるため強力な抑止力になります。コストは数千円から導入できるため、他の対策と組み合わせて総合的に防犯性を高めるのがおすすめです。
自分でできるところからサムターン回しの対策をしよう
サムターン回しは、工具を使って短時間で侵入される危険な手口ですが、サムターンカバーや補助錠、防犯フィルム、ガードプレートなど比較的手軽に導入できる対策で大部分を防げます。大がかりな工事や高額な投資をしなくても、自宅の状況に応じてできることから始めることが重要です。まずは弱点を確認し、小さな対策を積み重ねることで、空き巣に狙われにくい安心できる住環境を整えましょう。
もし、補助錠の追加や防犯サムターンに交換したいなどでしたら是非とも鍵猿までご連絡ください。鍵猿でしたら、見積もり・出張費無料で最短15分で現場に駆け付けます。何を選んだら良いか分からない、費用相場は?などでご不安な場合でも親切丁寧にご案内いたします。鍵やサムターンのことで何かお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。









