認知症の徘徊防止・徘徊対策の方法
認知症のご家族がいらっしゃる方で、徘徊にお悩みの場合、鍵で対策することが出来ます。
目の届きにくい時間帯、特に夜間の徘徊防止の対策を行うことで、認知症のご家族がケガをしてしまうことを防ぎ、介護をされる方の精神的な負担も軽減することが出来るかと思います。
今回は徘徊することで起きるトラブルとは何か、また鍵を使った徘徊対策の方法をご紹介します。
目次
お年寄りが徘徊することで起きるトラブル
お年寄りが徘徊することで、様々なトラブルが起こっている現状、対策をしないままでは大変不安です。
家の場所が分からず帰宅できなくなる
認知症になると記憶障害も起こり、家から出たものの家の場所を認識することが出来ず、うろうろしてしまい帰って来られなくなるというケースは多々。
近所のコンビニやスーパーに行こうとしたものの、いつも通っているはずの道を忘れてしまい、目的の場所にいつまでも辿り着けずに徘徊してしまうことも。
もしくは目的地には辿り着いたものの、家までの道を忘れてしまい帰れなくなることがあります。
近所で無事に見つかればまだ安心ですが、徘徊しているときに交通事故に遭ってしまいケガをする場合や、病院に運ばれたというケースもあり、大きなトラブルが起きる場合もあります。
行方不明になる度、心労が絶えない
ちょっと出かけてくるはずだったことが、何時間も帰ってこないという事態に陥ると、同居している家族も不安な気持ちでいっぱいになります。すぐ見つかればよいのですが、なかなか見つからず探し回ることもあるでしょう。
同居する家族が不在の時間帯にふらりと出て行ってしまったり、見守ることが出来ない時間帯、夜寝付いている時間帯に徘徊されると、すぐに探すという行動が取れず、発見が遅れてしまうことになります。
ご近所の方や警察などが気づいて保護してくれれば良いのですが、数日後に発見、数か月後に発見ということもあります。
中には何年も音沙汰がなく行方不明になっているケースもあり、軽視できる問題ではありません。
また1度だけではなく何度も徘徊してしまうため、ご近所や警察によくお世話になり、そのたびに捜索し頭を下げてと心身ともに家族の精神的な負担も大きくなります。
これらの現状を考えると、出来る限りこのような徘徊を防ぐための対策が重要となるでしょう。
まだ何も対策をしていない、認知症の傾向があり今後トラブルが起こる心配があるかもしれないという方はぜひ考えてみてください。
玄関に内鍵を取り付けて徘徊防止
夜間や目の届かない時、または徘徊される方を1人残してどうしても外出しなければらならない時など、一般的な鍵やチェーンロックを閉めただけでは徘徊者の方が開けて外に出てしまうため、対策が必要です。
その様な場合は、扉の鍵を簡単に開けることができないように内鍵を取り付けることで対策することが出来ます。
鍵屋の鍵猿で実際に施工している2種類の内鍵対策をご紹介します。
内鍵を空転式にして徘徊防止
普通のサムターンですとつまみを回すだけで鍵が開いてしまいますが、つまみを回すことができないように工夫された鍵があれば安心です。
内鍵を空転させるおすすめの鍵(引き戸対応)

内側のつまみを空転切り替えできるセーフティーサムターンがおすすめ!
本来は外出時の不正解錠を防ぐための防犯機能なのですが、徘徊対策にも有効です。
内側のツマミを鍵を使って施錠することで取っ手が空回りするため、深夜に徘徊してしまう方も開けることができません。鍵は徘徊する人に見つからない場所に保管しておくと良いでしょう。緊急時にすぐ外に出られるように、保管場所はご家族や同居する方全員で把握しておいてください。
泥棒の手口である外から工具を使って中の鍵を開けるサムターン回し対策にも有効。また戸建て・マンション・引き戸の玄関にも取り付けられます。
内鍵を脱着式にして徘徊防止
同じく防犯機能としてサムターンを脱着できるタイプの鍵があります。サムターンを取り外しておくと室内から鍵が開けられなくなる・または開けにくくなるので、施設での徘徊防止の鍵としてもよく使われています。取り外したサムターンを徘徊する人に渡さない、見つからない場所に置いておくということを徹底すれば、鍵を内側から開けることができません。
緊急時にはしっかり避難できるように、家族間で取り外したサムターンの保管場所を統一し、使用方法も間違えないように練習するようにしましょう。
内鍵を取り外せるおすすめの鍵(引き戸対応)
脱着式サムターンのND2Sがおすすめ。同じく泥棒の手口であるサムターン回し対策にも有効。また戸建て・マンション・引き戸の玄関にも取り付けられます。
窓・ベランダの窓に鍵を取り付けて徘徊防止
玄関に徘徊対策されている方は結構多いのですが、窓やベランダに関しては対策されていないことがあります。
しかし扉の鍵が開けられなかったからと、窓を開けて外に出てしまうケースも起こっています。
マンションなどは1階にお住まいの方は注意。一戸建ても1階部分にある窓を開けて、お庭から外に出てしまうというケースが多いです。
窓やベランダからの出入りは、足を滑らしたり高さのある場所から落ちてしまうなど、認知症の方がケガをすることもありますので、窓の鍵で徘徊防止することもぜひお考え下さい。
また窓の鍵対策は防犯面からもとても効果的です。
窓用・ベランダ用の鍵について、一般的にはつまみを回すと窓が開くというタイプのクレセント錠がついています。
そこで、内側から簡単に開けられないよう鍵付きのものに変更することで対策することができます。
クレセント錠を鍵付きの物にする
引き違いの窓の場合、中心部分にレバーを上げ下げするタイプのクレセント錠がついている事が一般的です。そのクレセントに鍵が付いたものが多く販売されています。本来は窓を割って鍵を開ける泥棒対策のための商品ですが、徘徊防止にも使えます。
鍵の部分は玄関と同じく鍵穴があるクレセント錠と、暗証番号のダイヤルを回して開けるタイプがあります。目の届く昼間や換気したい時などは鍵をかけず、夜寝る前に施錠するなどして活用することが出来るでしょう。
鍵付きのクレセント錠で徘徊防止
窓の鍵を鍵穴が付いたクレセント錠、ダイヤルを回して開けるタイプのクレセント錠へ交換した施工事例です。ご希望の鍵へ交換いたします。
窓のサッシに補助錠を取り付ける
こちらも防犯製品で、窓が開かないようにサッシに補助錠を取り付けるものです。通常の補助錠は室内側から簡単に開けることができるため、ダイヤルロック付きの窓用補助錠がオススメです。
こちらは後からサッシに簡単に取り付けができるので手間がかかりません。
緊急時には出られるように家族の間でダイヤル番号の確認は行ってください。
適度な外出・運動が徘徊頻度を軽減させる
室内ドアに鍵を取り付ける事もできます。しかし、心配だからといって施錠している時間が長くなれば監禁状態になり、認知症の方がストレスを強く感じてしまい、暴れる・脱出しようとして大けがを負う可能性もあります。本当に目の届かない時、夜間のみ施錠するなど使い方は間違えないようにしてください。
認知症の方も目的無く徘徊するわけではないため、出来る限り外出して頂きケガがないよう見守ることで、認知症の方のストレスが軽減され適度に疲労もします。そうすることで徘徊頻度を軽減させることが出来、見守る家族の精神的な負担・心労も軽くなることでしょう。
鍵の取り付けは鍵屋へお気軽にご相談ください


近所のインターホンを押してしまう、見ていない間に外出して警察に保護されることが多い場合、認知症の方にGPS機器を持たせて見守るという方法もありますが、夜間に周囲の家に迷惑がかかることもあるため、玄関の扉、窓と鍵を取り付けることで徘徊防止することも一つの手です。
家族が日中一緒にいることが出来ていても、デイサービスに電話したいときやお手洗いに行きたいとき、ちょっと一息つきたいときなど、そばを離れることがあるかもしれません。
短時間なら大丈夫、すぐに戻るからと思っていても、わずかな時間の間に外に出てしまうことがあります。
また夜間寝ている間に外に出てしまい、気が付いたときには遠くに行ってしまい帰ってこないという事例も起こっています。
24時間つきっきりで様子を見るのは困難。玄関の扉や窓に鍵を取り付けることによって、わずかな時間離れた時や夜眠っている時に出て行く心配をなくすことができます。
鍵も様々な種類があるので、ご家庭の状況、思いなどをお聞きし最適な鍵をご案内させて頂きます。徘徊対策のための鍵交換・取り付け依頼は鍵屋鍵猿までお問い合わせください。