公開日:2023/08/02|更新日:2025/07/03
ドアクローザーの調整方法を解説!閉まる速度や勢いを安全に直すポイント!
ドアクローザーは、私たちの生活に欠かせない存在ですが、日常でその役割や調整方法を意識することは少ないでしょう。しかし、ドアが勢いよく閉まったり、途中で止まってしまったりすると不便なだけでなく、怪我や騒音トラブルの原因にもなります。ドアクローザーの調整は専門業者に依頼するイメージが強いかもしれませんが、実は仕組みと注意点を理解すれば自分でも安全に行える作業です。
本記事では、ドアクローザーの仕組みや調整で改善できる症状、必要な工具、具体的な調整方法、注意点、そして調整で直らない場合の対処法まで詳しく解説します。ドアクローザーのトラブルでお困りでしたら是非とも参考にしてみてください。
目次
ドアクローザーとは?仕組みと役割を解説
ドアクローザーとは、ドアの上部に取り付けられている油圧式の装置で、ドアが自動的にゆっくり閉まるように制御する役割を持っています。勢いよくドアが閉まるのを防ぎ、指を挟むなどの事故を防止するだけでなく、風でドアがバタンと閉まる衝撃音も軽減してくれるため、マンションや事務所、店舗など多くの場所で使用されています。
ドアクローザーは内部のシリンダー内にオイルが入っており、ドアを開けるとこのオイルが移動する仕組みによって、ドアが自然にゆっくり閉じる動きを生み出しています。また、速度や閉まる強さを調整できる機構があり、ドアの大きさや重さ、設置環境に合わせて最適な動きに調整可能です。
ドアクローザーの調整で改善する症状は?
ドアクローザーを調整することで、日常で感じているドアの不具合やストレスを大きく軽減できます。調整によって改善できる症状はさまざまで、ドアの閉まる速度や勢い、最後まで閉まらないといった不具合にも対応可能です。ここでは、具体的にどのような症状が調整で改善するのかを詳しく解説します。自分のドアの状態に当てはまる症状がないか確認してみてください。
ドアが勢いよく閉まる
ドアクローザーが正しく調整されていないと、ドアが勢いよくバタンと閉まってしまうことがあります。これは、閉まる速度を抑える機能が弱まっていることが原因で、速度調整ネジを回すことで改善できます。
特に勢いよく閉まると、ドア枠や鍵部分への衝撃が大きくなり、故障や建付け不良を引き起こす恐れもあります。また、小さな子どもや高齢者がいる家庭では指挟み事故にもつながるため注意が必要です。調整を行うことで、ドアがゆっくり静かに閉まるようになり、安全性と快適性が大幅に向上します。
ドアが途中で止まってしまう、最後まで閉まらない
ドアクローザーがうまく機能していない場合、ドアが途中で止まってしまい最後まで閉まらないことがあります。これは、閉じ終わりの速度を調整する第2速度やラッチング機能の調整不良が原因であることが多いです。
また、油漏れや内部部品の劣化の場合は調整だけで直らないこともありますが、ネジ調整で改善するケースが多いため、まずは調整を試してみましょう。ドアがきちんと閉まらないと鍵がかからず、防犯面でも大きな問題になるため、放置せず早めに対処することが重要です。
閉まる速度が遅すぎる・速すぎる
ドアクローザーは閉まる速度を調整することで、ドアが速すぎる場合も遅すぎる場合も解消できます。速すぎると危険ですが、遅すぎるとドアを押さえながら閉める必要があり、日常動作にストレスがかかります。
特に事務所や店舗のドアでは閉まる速度が業務効率にも影響するため、適正速度に調整しておくことが大切です。第1速度と第2速度の調整ネジを使うことで、開閉の始まりから閉じ終わりまでの動きをスムーズかつ安全に設定できます。調整は少しの回転で大きく変わるため、慎重に行いましょう。
ラッチングが効かない・強すぎる
ラッチングとは、ドアが閉まりきる直前に最後のひと押しをする機能のことです。このラッチングが弱いと、ドアが完全に閉まらず半ドア状態になったり、強すぎるとドアが勢いよく閉まり衝撃音や怪我の原因になったりします。
ラッチングの調整は、ドアが完全に閉まるようにするために重要で、調整ネジを使用して適切な力加減に設定できます。特にオフィスや店舗など人の出入りが多い場所では、ラッチングの強弱が快適性と安全性に直結するため、定期的な確認と調整をおすすめします。
ドアが開けにくい・重たい
ドアが開けにくい、重たいと感じる場合もドアクローザーの調整で改善することがあります。これはドアクローザー内部の圧力設定が強すぎる場合や、速度調整が適切でないことが原因です。
ただし、開けにくさの原因がドアヒンジの歪みや建付け不良、クローザー本体の劣化の場合は調整だけでは直らないため注意が必要です。調整によって開閉動作がスムーズになると、力を入れずにドアを開けられるようになり、ストレスのない快適な生活動線が確保できます。
開閉時の音が大きい
ドアの開閉時に「バタン」という大きな音がする場合も、ドアクローザーの調整で改善できる症状です。これは閉まる速度が速すぎることやラッチングが強すぎることが原因である場合が多く、速度調整ネジやラッチング調整ネジを回すことで音を抑えることができます。
特に集合住宅やオフィスビルでは、ドアの開閉音が周囲への迷惑になるため、静音化は重要です。調整することで衝撃音が軽減し、住環境や業務環境の快適性が向上します。
ドアクローザー調整前の準備と確認ポイント
ドアクローザーを調整する前に、準備と確認を怠ると作業中にケガをしたり、かえって故障を悪化させたりするリスクがあります。安全かつ確実に作業を行うためには、調整に必要な工具を揃えることや、調整で直らない症状を事前に把握しておくことが重要です。ここでは、調整を始める前に確認すべきポイントと準備について詳しく解説します。
調整に必要な工具
ドアクローザーの調整には、基本的にプラスドライバーとマイナスドライバーが必要です。メーカーや機種によっては六角レンチが必要になる場合もあるため、取扱説明書を確認してから作業を始めましょう。
また、高い位置での作業となるため、安定した脚立や踏み台も必須です。油圧式のドアクローザーの場合、調整ネジを回しすぎるとオイル漏れを起こす危険があるため、作業用手袋を着用して慎重に作業することをおすすめします。
さらに、調整ネジは非常に繊細で少し回しただけでも大きく動作が変わるため、微調整を繰り返しながら確認するためのメモ帳やマスキングテープで印を付けるなど、作業記録用の準備もしておくと安全です。
調整では直らない症状を確認
調整で改善できる症状も多いですが、中には調整だけでは直らないトラブルもあります。例えば、ドアクローザー本体からオイルが漏れている場合、内部のシールが劣化しており調整では対応できません。
また、ドアの建付けが悪く枠と干渉している場合や、ドアヒンジ自体が歪んでいる場合も調整では解決しないことが多いです。さらに、ドアクローザー内部のバネが破損している場合は調整ではなく本体交換が必要です。
調整前にこれらの症状がないか確認し、異常がある場合は無理に調整せず専門業者へ相談することが重要です。無理な調整は故障を悪化させるだけでなく、ドアの安全性を損なう可能性があるため注意しましょう。
ドアクローザーの調整方法
ドアクローザーは調整ネジを回すだけで閉まる速度やラッチングを変えられる便利な装置ですが、正しい手順を理解せずに調整すると、ドアが閉まらなくなったり故障したりするリスクがあります。ここでは、初心者でもわかるようにドアクローザーの各部位の調整方法を詳しく解説します。必ず一つひとつの工程を確認しながら、慎重に作業を進めてください。
第1速度(閉じ始めの速度)の調整方法
第1速度とは、ドアを開放状態から閉じ始める際のスピードを指します。例えば、ドアを大きく開けた後に閉じ始める速度が速すぎると勢いがつき危険ですし、遅すぎるといつまでも半開き状態で戻るのを待つことになります。調整方法は、ドアクローザー本体にある第1速度用の調整ネジを回します。一般的には、右回しで速度が遅くなり、左回しで速くなります。
ただし、メーカーによって逆の場合もあるため、取扱説明書で確認してください。調整ネジは1回転させるだけで大きく変わることがあるため、少しずつ回してはドアの動作を確認することが大切です。特に公共施設や店舗のドアでは、誰でも安全に開閉できるよう適正な速度に調整することが求められます。
第2速度(閉じ終わりの速度)の調整方法
第2速度は、ドアが閉じ終わる直前のスピードを指します。この速度が速すぎると「バタン!」と大きな音を立てて閉まり、遅すぎるとドアが閉まり切らずに半ドア状態になってしまいます。調整するには、第2速度用の調整ネジを使用します。こちらも第1速度と同様に、右回しで遅く、左回しで速くなることが多いですが、念のためメーカーの説明を確認してください。
調整の際はドアを数回開け閉めして確認し、勢いが強すぎないか、最後までしっかり閉まるかを必ずチェックします。特に玄関ドアなど防犯性が求められる場所では、第2速度を適切に調整し、確実にロックがかかる状態にすることが重要です。
ラッチング動作の調整方法
ラッチングとは、ドアが閉まりきる直前に最後のひと押しをする動作です。これが弱すぎるとドアが完全に閉まらず、強すぎると衝撃が大きくなるため調整が必要です。調整方法は、ラッチング用の調整ネジを回すだけです。ネジを右に回すとラッチングが弱くなり、左に回すと強くなる仕組みが多いですが、例外もあるため説明書を確認してください。
調整後はドアを閉めたときにしっかり閉まるかつ、勢いが強すぎないか何度も確認します。特にオフィスやマンション共用部では、ドアが半ドアになると防犯面や冷暖房効率の低下につながるため、正しく調整しておくことが大切です。
ストップ角度の調整方法
ストップ角度とは、ドアを開けたときに固定される角度のことです。ドアクローザーの中には、このストップ角度を設定できるタイプがあります。調整方法は、ストップ角度調整ネジを回して設定します。右回しで角度を小さく、左回しで大きくできることが多いですが、メーカーによって仕様が異なるため必ず取扱説明書で確認してください。
適切なストップ角度に設定することで、ドアが中途半端に開いた状態で止まらず、通行の邪魔にならないようにできます。ただし、ストップ機能がついていないドアクローザーもあるため、調整前に自分のドアクローザーの機能を確認しましょう。
ドアクローザーを調整した後で起こりやすい失敗例と注意点
ドアが閉まらなくなる
ドアクローザーの調整で最も多い失敗が、調整しすぎてドアが閉まらなくなるケースです。これは、第1速度や第2速度の調整ネジを必要以上に回してしまうことで起こります。特に速度を遅くしようとネジを締め込みすぎると、油圧がかかりすぎてドアが動かなくなることがあります。また、ラッチングを弱くしすぎた場合も、最後まで閉まらず半ドア状態になってしまうため注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためには、一度に大きく回さず、少しずつ微調整しながら必ず動作確認を行うことが重要です。もし調整しても動きが戻らない場合は、無理に直そうとせず専門業者へ相談しましょう。
調整ネジを壊してしまう
調整ネジは細かい動作を制御する重要な部分ですが、無理な力で回しすぎるとネジ山が潰れたり、最悪の場合折れてしまうことがあります。特に長年調整していないドアクローザーは、ネジが固着して回りにくくなっていることがあり、力任せに回すと壊してしまう原因になります。
また、誤ったサイズのドライバーや六角レンチを使用するのも破損の原因となるため注意が必要です。ネジが壊れると調整が不可能になるだけでなく、本体交換が必要になるため費用もかかってしまいます。調整する際は必ず適切な工具を使い、固いと感じたら潤滑剤を使うか業者に相談するようにしましょう。
異音や油漏れが起きる
調整後にドアクローザーから異音がする、または油漏れが起きるケースも注意が必要です。異音の原因は、ネジの回しすぎで内部圧力が過剰にかかったり、部品に無理がかかっている場合が考えられます。また、ドアクローザーは油圧式であるため、調整中にネジを抜いてしまったり、限界以上に回すとオイルシールが破損して油漏れが起きます。
油漏れが発生すると内部機能が失われ、ドアが全く閉まらなくなるだけでなく、本体交換以外に修理方法がないため高額な費用がかかることになります。少しでも異音や油漏れが確認できた場合は、使用を中止し専門業者へ相談するようにしてください。
ドアクローザー調整で解決しない場合の対処法
ドアクローザーの調整で多くの症状は改善しますが、調整では解決できないトラブルも存在します。無理に調整を続けると本体を破損させてしまうこともあるため、限界を見極めて適切に対処することが重要です。ここでは、調整で直らない場合に考えられる故障や交換が必要なサイン、そして業者へ依頼する場合の費用相場について詳しく解説します。
調整しても直らないときに考えられる故障
ドアクローザーを調整しても改善しない場合、内部故障が発生している可能性があります。最も多いのがオイル漏れで、これはドアクローザー内部のシールやパッキンが劣化し、油圧機能が失われることで起こります。
オイルが漏れていると、どれだけ調整してもドアの速度や閉じる力を制御できなくなるため、本体交換以外に解決方法はありません。また、内部のバネが破損している場合や、長年使用して可動部分が摩耗している場合も調整では直りません。このような症状が見られる場合は、早めに専門業者に相談して本体交換を検討することが必要です。
調整と交換の違いと交換が必要なサイン
ドアクローザーの調整は、速度やラッチングの微調整を行う作業ですが、本体が故障している場合は調整しても意味がなく、交換が必要になります。交換が必要なサインとしては、オイル漏れがある、ドアクローザー本体が錆びて腐食している、調整ネジが固着して動かない、調整しても全く変化がない、異音が止まらないなどが挙げられます。
特にオイル漏れは油圧機能が失われている状態なので、そのまま使用するとドアの落下や急閉まりなど重大事故につながる可能性があります。これらの症状が見られた場合は、迷わず専門業者へ連絡し、交換を依頼しましょう。
業者に依頼する場合の費用相場と作業時間の目安
ドアクローザーを業者に依頼して交換する場合、費用相場は部材費込みで15,000円から30,000円程度が一般的です。ただし、高機能タイプや特殊ドア用の場合は50,000円を超えるケースもあります。作業時間の目安は1時間程度で、既存ドアクローザーの取り外しから新規取り付け、動作確認まで含まれます。費用は現場状況や建物の構造によって変動するため、複数業者から見積もりを取ると安心です。
また、マンションやオフィスビルの共用部など管理会社が指定業者と契約している場合もあるため、管理会社への確認も忘れずに行いましょう。無理に自分で交換すると事故や追加費用の原因になるため、専門業者へ依頼することをおすすめします。
まとめ
ドアクローザーは、日常生活で安全性と快適性を支えている重要なパーツです。閉まる速度やラッチング機能を調整することで、ドアが勢いよく閉まる、最後まで閉まらない、開閉時の音が大きいなどの問題を解決できます。
ただし、調整には専用の工具や正しい手順が必要で、少しの回転で動作が大きく変わるため慎重に行わなければなりません。また、オイル漏れや内部部品の破損など調整では解決できない症状もあり、その場合は無理に直そうとせず本体交換や専門業者への依頼が必要です。
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